Japanese
English
臨床経験
第1肋骨奇形による胸郭出口症候群の1例
A Case Report of Thoracic Outlet Syndrome due to First Rib Anomaly
土田 恒久
1
,
千葉 光穂
1
,
奥山 幸一郎
1
,
鈴木 均
1
,
黒田 利樹
1
,
小西 奈津雄
1
,
田村 康樹
1
Tsunehisa Tsuchida
1
1秋田労災病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Akita Rosai Hospital
キーワード:
thoracic outlet syndrome
,
胸郭出口症候群
,
first rib anomaly
,
第1肋骨異常
,
first rib syndrome
,
第1肋骨症候群
Keyword:
thoracic outlet syndrome
,
胸郭出口症候群
,
first rib anomaly
,
第1肋骨異常
,
first rib syndrome
,
第1肋骨症候群
pp.1429-1432
発行日 1998年12月25日
Published Date 1998/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902598
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抄録:今回われわれは,第1肋骨の偽関節様構造が原因と思われる胸郭出口症候群の1例を経験したので報告する.症例は21歳の女性で,主訴は左鎖骨部痛と左手掌のしびれである.理学所見では,左第1肋骨部の圧痛と同部の圧迫による症状の出現がみられ,Wrightテスト,Morleyテストで症状の再現がみられた.単純X線写真で第1肋骨の形態異常を認め,三次元CTで第2肋骨と偽関節様構造を形成している所見が確認された.血管造影では,偽関節様構造形成部位に一致して左鎖骨下動脈に50%の狭窄像が認められた.手術は経腋窩アプローチによる第1肋骨切除術を施行した.術中,第1肋骨は第2肋骨と癒合しており,第1肋骨切除により鎖骨下動脈の拍動が十分に得られた.術後約2週間で症状はほぼ消失し,現在も症状の再発はみられていない.
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