Japanese
English
臨床経験
指末節骨に転移した肺癌の1例
A Case of Lung Cancer Metastasis to the Distal Phalanx
小林 恵三
1
,
裏辻 雅章
1
,
柴沼 均
1
Keizo Kobayashi
1
1三菱神戸病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Mitsubishi Kobe Hospital
キーワード:
lung cancer
,
肺癌
,
phalanx
,
指節骨
,
bone metastasis
,
骨転移
Keyword:
lung cancer
,
肺癌
,
phalanx
,
指節骨
,
bone metastasis
,
骨転移
pp.105-107
発行日 2000年1月25日
Published Date 2000/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902901
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抄録:悪性腫瘍の手指骨への転移は極めて稀である.肺扁平上皮癌が右環指末節骨に転移した1例を経験したので報告する.症例は73歳,男性.右環指の腫脹と疼痛があり,当科受診.X線像上,悪性腫瘍の指骨転移が疑われた.既往歴に大腸癌があり,また両下肺野に腫瘤影を認めたため内科入院精査となり,肺癌の骨転移が疑われた.疼痛の軽減と原発部位の確定を目的に基節骨レベルで切断した.病理検査にて扁平上皮癌と診断され,肺癌よりの転移と診断した.悪性腫瘍の指骨転移は臨床的に,発赤,腫脹,疼痛等の炎症所見を伴うことが多く,発症時には,骨髄炎,関節リウマチ,痛風等として治療を受けることもあると報告されている.炎症性疾患として治療を受けることで診断が遅れたとの報告もあるが,骨X線所見に注意し,悪性腫瘍の指骨転移の可能性も考慮にいれれば,診断はそれほど難しくないと考える.予後は悪いため治療は多くの場合切断術の適応となる.
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