Japanese
English
臨床経験
骨転移を来した悪性褐色細胞腫の1例
Malignant Pheochromocytoma with Bone Metastasis : A Case Report
網野 浩
1
,
土谷 一晃
1
,
武者 芳朗
1
,
芦沢 修一
1
,
茂手木 三男
1
,
亀田 典章
2
,
蛭田 啓之
2
,
丸山 優
3
Hiroshi Amino
1
1東邦大学医学部整形外科
2東邦大学佐倉病院病理
3東邦大学形成外科
1Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine, Toho University
キーワード:
褐色細胞腫
,
pheochromocytoma
,
悪性
,
malignant
,
骨転移
,
bone metastasis
Keyword:
褐色細胞腫
,
pheochromocytoma
,
悪性
,
malignant
,
骨転移
,
bone metastasis
pp.891-894
発行日 1995年7月25日
Published Date 1995/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901686
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抄録:骨転移を来した悪性褐色細胞腫の1例を経験した.症例,43歳,男性.左前胸部腫瘤を主訴に来院した.3年前に右副腎褐色細胞腫摘出術を受けている.全身状態に異常所見なく,血圧も正常で,血液,生化学検査,尿中VMAなどに異常所見はなかった.左第2肋骨を中心に約2×3cm,弾性硬の腫瘤を触知し,MRIで腫瘍は鎖骨,第1肋骨,肺に密接していた.99mTcDP骨スキャンでは腫瘍部にのみ集積を認めた.生検にて悪性神経原性腫瘍が疑われ,広範切除術を施行した.病理組織学的に,多角形から紡錘形の腫瘍細胞が増殖し,免疫組織化学的にS-100蛋白,NSE陽性であり,原発巣の病理所見とあわせてホルモン活性のない褐色細胞腫の転移と診断した.切除縁評価はmarginalで,1年6カ月の経過で再発を認めていない.褐色細胞腫の約10%は転移を来し悪性とされるが,病理組織学的に良悪性の診断は困難であり慎重な経過観察が必要と考えられる.
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