Japanese
English
臨床経験
若年者に発生した大腿四頭筋腱断裂の1例
Quadriceps Tendon Rupture in a Young Patient : A Case Report
青木 謙二
1
,
鷲見 正敏
1
,
池田 正則
1
,
向井 宏
1
,
黒石 昌芳
1
,
伊藤 研二郎
1
Kenji Aoki
1
1国立神戸病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kobe National Hospital
キーワード:
quadriceps tendon
,
大腿四頭筋腱
,
rupture
,
断裂
,
young patient
,
若年者
Keyword:
quadriceps tendon
,
大腿四頭筋腱
,
rupture
,
断裂
,
young patient
,
若年者
pp.825-828
発行日 1999年6月25日
Published Date 1999/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902747
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抄録:若年者に発生した稀な大腿四頭筋腱断裂の1例を報告した.症例は19歳,男性.膝蓋骨骨折のため約1ヵ月間のギプス固定を受けた.ギプス除去後に転倒して左膝の屈曲を強制され,疼痛とともに自動伸展が不能となった.膝蓋骨近位に陥凹を触知し,単純X線像では膝蓋骨の前傾と剥離骨片を認め,MRI,関節造影では膝蓋骨付着部で大腿四頭筋腱の連続性が断たれていた.以上から大腿四頭筋腱断裂と診断し,手術を施行した.四頭筋腱は膝蓋骨付着部において完全に断裂していた.埋没式アンカーを用いて四頭筋腱を膝蓋骨に縫着し,さらに人工靱帯を用いて補強した.術後早期より可動域訓練を開始し,良好な結果を得た.本症例では腱の易損傷性をきたすような基礎疾患はなく,先行する膝蓋骨骨折に対するギプス固定により膝関節の拘縮とともに四頭筋腱の脆弱化が生じ,この膝関節に対して屈曲を強制する外力が加わったために大腿四頭筋腱が断裂したと考えられた.
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