Japanese
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シンポジウム 整形外科と運動療法
運動療法と学問的評価
Orthopaedic Surgery and Exercise Therapy : Scientific Evaluation
菊地 臣一
1
Shin-ichi Kikuchi
1
1福島県立医科大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine, Fukushima Medical University
キーワード:
exercise therapy
,
運動療法
,
evidence-based medicine
,
EBM
,
orthopaedic surgery
,
整形外科
Keyword:
exercise therapy
,
運動療法
,
evidence-based medicine
,
EBM
,
orthopaedic surgery
,
整形外科
pp.729-732
発行日 1999年6月25日
Published Date 1999/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902731
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要旨:整形外科で広く実施されている運動療法について,その学問的評価は余りなされていないのが現状である.今後,早急にEBM(evidence-based medicine)という概念の視点から運動療法の有効性を立証する必要がある.その際,明らかにされなければならないのは,有効性,有効であるならばどんな種類の運動を,どの位の頻度で,どの程度行えば良いのか,という疑問点である.さらに,有効だとされる運動はどこ(医療機関,スポーツクラブ,自宅など)で行えば良いのかを費用対効果の面から検討する必要もある.また,運動療法の実施の有無により長期成績に差があるのか,という疑問にも答えなければならない.最後に,運動療法の治療効果が立証された場合には,その治療効果は特異的な理由によるものなのか,あるいは非特異的効用,ないしは両者によってもたらされているのかについての検討も必要である.これらの問題が明らかにされない限り,整形外科で行う運動療法の有効性を,患者や医療費支払側に説得することはできず,整形外科における運動療法そのものの存在意義が問われることになる.われわれは早急に,多施設検定による大規模なRCT(randomized controlled trial)を開始する必要がある.
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