Japanese
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臨床経験
後側方到達法により矯正を得た陳旧性環軸椎回旋位固定の1例
Operative Treatment for Late Atlanto-axial Rotatory Fixation (Type Ⅲ) : A Case Report
蓮江 文男
1
,
後藤 澄雄
1
,
村上 正純
1
,
山崎 正志
1
Fumio Hasue
1
1千葉大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Chiba University School of Medicine
キーワード:
atlanto-axial rotatory fixation
,
環軸椎回旋位固定
,
late
,
陳旧性
,
operative treatment
,
観血的治療法
Keyword:
atlanto-axial rotatory fixation
,
環軸椎回旋位固定
,
late
,
陳旧性
,
operative treatment
,
観血的治療法
pp.229-232
発行日 1999年2月25日
Published Date 1999/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902649
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抄録:症例は5歳男児.1997年4月,高熱と右頚部リンパ節の腫大が出現,斜頚位となり,一週間後,高熱・リンパ節腫大が消退するも斜頚位が残存した.他院にて保存療法を受けるも改善は無く,7月,当院に紹介入院した.単純X線でFielding Ⅲ型の環軸椎回旋位固定と診断され,CTでは左方に回旋転位した環椎と軸椎の右前方部の間に骨性癒合を認めた.保存療法に抵抗を示したため,観血的整復法を選択した.手術は右後側方到達法にて骨性癒合に到達し,環軸椎間を解離,後方固定を追加し矯正位を得た.術後6カ月の現在,矯正位を保っている.Fielding Ⅲ型の陳旧例に対して観血的整復法を選択する際,整復障害因子として骨性癒合と瘢痕形成,危険因子として椎骨動脈損傷脊髄損傷,それに加えて整復後の矯正位の維持方法,および患者に対する手術侵襲の四つの問題点の総合的評価が必要である.そのためには個々の症例の病態の十分な検討が必要となる.
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