Japanese
English
臨床経験
悪性変化した殿部巨大毛嚢嚢腫の1例
A Case Report of a Giant Trichilemmal Cyst in the Buttock Developing Malignant Changes
青山 朋樹
1
,
高橋 忍
1
,
琴浦 良彦
1
,
吉田 芳信
2
,
桐山 貴至
3
Tomoki Aoyama
1
1市立長浜病院整形外科
2市立長浜病院形成外科
3市立長浜病院皮膚科
1Department of Orthopaedic Surgery, Nagahama City Hospital
キーワード:
atheroma
,
粉瘤
,
squamous cell carcinoma
,
扁平上皮癌
,
trichilemmal cyst
,
毛嚢嚢腫
Keyword:
atheroma
,
粉瘤
,
squamous cell carcinoma
,
扁平上皮癌
,
trichilemmal cyst
,
毛嚢嚢腫
pp.1433-1437
発行日 1998年12月25日
Published Date 1998/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902599
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抄録:粉瘤は日常診療上,比較的よく見られる疾患であるが稀に悪性化する例もある.今回われわれは40年を経過し悪性変化をした殿部の巨大粉瘤の1例を報告するとともに粉瘤の悪性変化について文献的考察を加えた.患者は71歳の男性で,40年前から右殿部に発生した腫瘤を自覚していたが放置していた.単純CTにて嚢腫内腔に突出する壁を認めた.大きさは19×17×7cmの巨大な腫瘤で1,050gの重量があった.被膜に包まれた多胞性の腫瘤で隔壁が認められた.組織像はケラチン角化を認める外毛根鞘由来の毛嚢嚢腫で内壁の突出部に扁平上皮癌を認めた.このため追加切除とリンパ節生検を行った.本邦で報告されている悪性変化した粉瘤は46例であるが長期経過した例が多く,平均19.4年の経過を持つ.また20例(43.5%)は殿部に発生しており,悪性化した粉瘤には殿部発生例が多い.長期経過した,巨大な粉瘤は悪性変化の可能性があるため注意が必要である.
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