Japanese
English
特集 脊椎外科最近の進歩―OPLLを中心として―(第26回日本脊椎外科学会より)
細胞生物学的手法を用いたOPLLの成因解析
Effects of Cell Growth Factors on the Cultured Spinal Ligament Cells : A Possible Pathogenesis of OPLL
山崎 正志
1
,
金 民世
1
,
後藤 憲一郎
1
,
寺門 淳
1
,
守屋 秀繁
1
Masashi Yamazaki
1
1千葉大学医学部整形外科教室
1Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine, Chiba University
キーワード:
ossification of the posterior longitudinal ligament
,
後縦靱帯骨化
,
spinal ligament cells
,
脊柱靱帯細胞
,
growth factor
,
細胞成長因子
Keyword:
ossification of the posterior longitudinal ligament
,
後縦靱帯骨化
,
spinal ligament cells
,
脊柱靱帯細胞
,
growth factor
,
細胞成長因子
pp.567-572
発行日 1998年4月25日
Published Date 1998/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902429
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:OPLL症例16例および非骨化症例13例の脊柱靱帯細胞(OPLL細胞およびnon-OPLL細胞)に対するBMP2,TGF-β1,bFGF,IGF-1の作用を培養系で解析した.検討したほぼ全てのOPLL細胞においてbFGF,IGF-1はDNA合成を,TGF-β1,IGF-1はコラーゲン合成を促進させた.約半数のOPLL細胞においてBMP2はALP活性を上昇させた.一方,non-OPLL細胞におけるBMP2作用後のALP活性は,全ての細胞で不変であった.OPLL症例の脊柱靱帯において各細胞成長因子が過剰発現しているという従来の報告と併せると,各因子はそれぞれ特有の機序で靱帯細胞の増殖,基質合成,分化を調節し,骨化に関与していると推察された.また,OPLL症例の一群ではBMP受容体/シグナル伝達機構の異常を基盤とした骨化の発生進展機構が存在すると考えられた.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.