Japanese
English
論述
高位𦙾骨々切り術後の人工膝関節置換術の検討
Results of Total Knee Arthroplasty after Failed Proximal Tibial Osteotomy
王寺 享弘
1
,
案浦 聖凡
1
,
竹本 均
1
,
徳永 純一
1
,
小林 晶
1
Toshihiro Odera
1
1福岡整形外科病院
1Fukuoka Orthopaedic Hospital
キーワード:
proximal tibial osteotomy
,
胚骨骨切り術
,
total knee arthroplasty
,
人工膝関節置換術
,
postopera-tive results
,
術後成績
,
operative technique
,
手術手技
Keyword:
proximal tibial osteotomy
,
胚骨骨切り術
,
total knee arthroplasty
,
人工膝関節置換術
,
postopera-tive results
,
術後成績
,
operative technique
,
手術手技
pp.115-121
発行日 1998年2月25日
Published Date 1998/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902361
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抄録:高位𦙾骨々切り術後の人工膝関節置換術は,初回手術例に比べていくつかの問題点が存在し,術後成績が劣ると指摘されている.今回,経験した28膝のうち術後1年以上を経過し追跡できた21膝を調査し,骨切り後の人工関節置換術について検討を加えた.術後経過観察期間は最長11年2ヵ月で平均4年2ヵ月であった.術前9例に膝蓋骨低位がみられ,術野展開が困難な例もみられ,また𦙾骨顆部の変形のため𦙾骨componentの設置にも難しさがあった.しかし,日整会変形性膝関節症治療成績判定基準で,術前57.4±10.7点から術後74.8±12.2点と改善しており,特に疼痛・歩行能力の改善が著しく,初回手術例と比べても満足な術後成績を得ることができた.
しかし,骨切り後の人工関節置換術では,1)膝蓋骨低位や膝蓋腱周囲の瘢痕形成のため膝蓋骨の翻転がしにくく,かつ同部の癒着にて術野展開が困難であり,手術時間がより長くなる,2)骨切り後の𦙾骨顆部の変形にて𦙾骨関節面の中心と𦙾骨骨軸とのずれを生じており,また𦙾骨の回旋変形も存在するため,𦙾骨componentの設置や膝蓋骨componentの適合性に問題点が生じるなどの問題点があり,術前の十分なプランニングが必要と思われた.
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