Japanese
English
臨床経験
人工骨頭置換術後に残存スクリューによる広範なmetallosisを生じた1例
Extensive Metallosis due to a Stainless Steel Screw after Hip Arthroplasty : A Case Report
大河原 三穂
1
,
長尾 正人
1
,
皆川 裕樹
1
,
舛田 和之
2
,
久木田 隆
3
Miho Ohkawara
1
1札幌医科大学整形外科
2市立赤平総合病院整形外科
3くきた整形外科クリニック
1Department of Orthopaedic Surgery, Sapporo Medical University
キーワード:
metallosis
,
メタローシス
,
metal debris
,
金属粒子
,
hip arthroplasty
,
人工股関節
Keyword:
metallosis
,
メタローシス
,
metal debris
,
金属粒子
,
hip arthroplasty
,
人工股関節
pp.761-763
発行日 1996年6月25日
Published Date 1996/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901935
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:人工股関節置換術後の合併症としては比較的報告の少ないmetallosisを認めた1例を経験したので報告する.
症例は60歳男性.約20年前,両大腿骨頭壊死の診断で両人工骨頭置換術が他医にて施行された.ただし右側は,人工骨頭置換術前に,大腿骨骨切り術も行われていた.以後肉体労働に従事していたが,転倒を機に両股関節痛が出現した.臨床所見および画像所見より人工骨頭のゆるみと診断した.3カ月後右側再置換術時に,広範なmetallosisと,大腿骨骨切り術の際に使用したと思われる残存スクリューの著明な摩耗を認めた.病理組織所見では,大腿骨皮質側の滑膜様組織に金属粒子を,人工骨頭のセメント側の滑膜様組織には異物反応が観察された.骨-セメント間のゆるみにより人工骨頭とスクリューが接触し,その摩耗によって生じた金属粒子が,metallosisの原因になったと推察された.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.