Japanese
English
臨床経験
稀な発生機序により生じた外傷性股関節上方脱臼の1例
Traumatic Superior Dislocation of the Hip : A Case Report
冨田 文久
1
,
大塩 至
1
,
畑山 明広
1
,
辻野 淳
1
,
近藤 英司
1
,
柳橋 寧
1
,
松野 誠夫
1
,
小熊 忠教
1
,
松野 丈夫
2
Fumihisa Tomita
1
1美唄労災病院整形外科
2現:倶知安厚生病院
1Department of Orthopedic Surgery, Bibai Rousai Hospital
キーワード:
恥骨(上方)脱臼
,
pubic (superior) dislocation
,
腸骨大腿靱帯
,
iliofemoral ligament
,
低エネルギー外傷
,
low energy injury
,
骨粗鬆症
,
osteoporosis
,
三次元CT
,
3-DCT
Keyword:
恥骨(上方)脱臼
,
pubic (superior) dislocation
,
腸骨大腿靱帯
,
iliofemoral ligament
,
低エネルギー外傷
,
low energy injury
,
骨粗鬆症
,
osteoporosis
,
三次元CT
,
3-DCT
pp.969-972
発行日 1995年8月25日
Published Date 1995/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901701
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抄録:稀な発生機序により生じた外傷性股関節上方脱臼の1例を経験した.症例は81歳の女性で,歩行中に右股関節を過伸展,内転強制され転倒し受傷した.単純X線写真上,右大腿骨頭は臼蓋の骨折を伴い外上方に脱臼していた.容易に徒手整復可能であったが,外旋位で再脱臼し不安定性が強かった.三次元CTでは臼蓋の骨片の転位,大腿骨頭の骨欠損が認められた.不安定性,年齢,早期離床を考慮し右人工股関節全置換術を行った.発生機序はEpsteinが述べた外転,伸展ではなく内転,伸展と考えられ,強靱な腸骨大腿靱帯の臼蓋付着部で骨折が起こり,骨頭が外上方に脱臼したと考察した.転倒という低エネルギー外傷により発生した原因は,高齢者で骨粗鬆症が存在したこと,腸骨大腿靱帯の臼蓋付着部に力が集中したことの両者が考えられた.三次元CTは骨折を立体的かつ多方向性にとらえることができ病態の把握に有用であった.
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