視座
日本の手の外科の将来を展望する
生田 義和
1,2
1広島大学医学部・整形外科
237回日本手の外科学会
pp.1199-1200
発行日 1994年11月25日
Published Date 1994/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901487
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某科学雑誌によると,生物は魚類―爬虫類―哺乳類と進化して,アウストラロ・ピテクスから現代のホモ・サピエンスの時代を迎え,今後は脳の容積の増大と物を食べる機能の衰退が進み,数十万年後にはエドノ・ピテクス(歯のない猿)という未来人が想像されている.重心が頭部に移動するために足は大きく扁平足になり,移動が極端に少なくなるために下肢は退化し,上肢も食事とコンピュータ操作のみで足りるために萎縮する.しかし,指は現在と同じように5本あり,数十万年後,幸いにもわれわれ手の外科医の治療対象は消滅していないようである.
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