Japanese
English
臨床経験
胸腰椎前方手術に合併した胸管損傷の2例
Thoracic Duct Injury Complicated after Anterior Approach to the Thoracic and Lumber Spine: A Report of Two Cases
小田 伸悟
1,2
,
清水 克時
1
,
松下 睦
1
,
飯田 寛和
1
,
四方 實彦
1
,
山室 隆夫
1
,
乾 健二
3
,
和田 洋巳
3
Shingo Oda
1,2
1京都大学医学部整形外科
2公立豊岡病院整形外科
3京都大学医学部胸部外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kyoto University School of Medicine
キーワード:
脊椎手術
,
spinal operation
,
合併症
,
complication
,
胸管損傷
,
thoracic duct injury
Keyword:
脊椎手術
,
spinal operation
,
合併症
,
complication
,
胸管損傷
,
thoracic duct injury
pp.1185-1188
発行日 1994年10月25日
Published Date 1994/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901484
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抄録:胸管損傷は脊椎外科の合併症としてごくまれに起こる.われわれは,1985(昭和60)年以降の7年間に胸腰椎前方手術に合併した胸管損傷を2例経験した.症例1:42歳,男性.腰椎OPLLに対し腰椎後方除圧固定術,のちに腰椎前方固定術を行った.腰椎前方固定術術後2日目,後腹膜チューブからの排液に乳糜を認めた.症例2:45歳,女性.陳旧性第1腰椎破裂骨折,後弯変形に対し,胸腰椎前方後方除圧固定,変形矯正を行った.術後1カ月目,左下肺野に液貯留がおこり,穿刺により乳糜を認めた.症例1はIVHと絶食による保存的療法のみで,症例2は保存的治療,胸膜癒着療法,観血的治療を組み合わせて治癒した.本症は希な合併症で感染との鑑別を要するが,本症を念頭におくことにより診断可能である.おおむね予後は良好である.
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