視座
スポーツと整形外科医
山田 勝久
1
1国家公務員等共済組合連合会横浜南共済病院
pp.1319
発行日 1993年12月25日
Published Date 1993/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901253
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スポーツの隆盛に伴ってその傷害も多くなり,国民の関心も高まって来ている.現在,日本整形外科学会のスポーツ認定医,日本医師会の健康スポーツドクター,日本体育協会のスポーツドクター等3団体によるスポーツ医が制定されている.リウマチ認定医と異なって研修の一部に互換性が認められているが,必ずしもすっきりした形になっていない.しかし,スポーツドクターの名称があればスポーツ傷害に関連する患者が集まってくるだろうという甘い感覚の医師もいるようである.私は多くのプロ・アマのスポーツ選手と接し,いろいろのことを学んだ.スポーツ傷害の患者に興味をもつならば,患者を確実に治療し,それなりの実績を残すことが第一であるが,スポーツ大会への参加や治療にはボランティア的要素が必要であり,待ちよりも時には医師自らが積極的に協力することが大切である.また,それにも増して重要なことは,親身になって選手の相談相手になってやることである.とかく運動選手は,馴染むとほかの医療機関にいくことを好まず,整形外科以外の疾病についても相談してくることが多い.このような時に積極的に相談に乗り,他科的なものならば専門医を紹介するなど,手配師的役割りもなおざりにはできない.スポーツドクター,なかんずくチームドクターに一見スポーツと関連性がないような科の医師も少なからずみられるが,それらの医師はおそらく,よろず相談医的,窓口医的な役割をしているのではないかと推察される.
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