Japanese
English
臨床経験
多発性神経鞘腫の3例
Three Cases of Multiple Neurilemoma
山田 賢治
1
,
岡 史朗
1
,
乗松 尋道
1
,
吉田 竹志
2
,
角南 義文
3
Kenji Yamada
1
1香川医科大学整形外科
2阪和泉北病院整形外科
3竜操整形外科病院
1Department of Orthopaedic Surgery, Kagawa Medical School
キーワード:
多発性神経鞘腫
,
multiple neurilemoma
,
末梢神経
,
peripheral nerve
Keyword:
多発性神経鞘腫
,
multiple neurilemoma
,
末梢神経
,
peripheral nerve
pp.821-824
発行日 1993年7月25日
Published Date 1993/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901154
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抄録:神経鞘腫は通常単発性で,多発することは稀とされている.今回我々は,末梢神経に多発した神経鞘腫の3例を経験したので報告する.症例は,58歳女性,53歳および30歳男性で,3症例ともvon Recklinghausen病の合併は認めなかった.症例1は左下腿外側の浅腓骨神経領域,症例2は右膝窩部・右足関節内側部の脛骨神経領域と,同一神経領域に,また症例3は,右腋窩部の尺骨神経および左膝窩部の脛骨神経領域と,異なる末梢神経領域に多発した症例であった.症例1では,神経鞘腫に随伴した神経周膜の過誤腫様の増殖を認め,特異な病理組織像を呈した.症例2・3は,ともにAntoni A,Bタイプの領域を含む典型的な病理組織像を示した.過去の報告例や,症例1に認められた病理組織像から,多発性神経鞘腫が単なる腫瘍の重複ではなく,神経系の奇形腫様あるいは過誤腫様変化を基盤として発症する系統疾患である可能性が考えられる.
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