Japanese
English
臨床経験
腰部神経根奇形の3例
3 Cases of Lumbar Root Anomaly
澤田 尚美
1,2
,
中村 一孝
1
,
橋都 浩哉
1
Naomi Sawada
1,2
1伊達赤十字病院整形外科
2市立小樽病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Date Red cross Hospital
キーワード:
腰部
,
lumbar
,
神経根奇形
,
root anomaly
Keyword:
腰部
,
lumbar
,
神経根奇形
,
root anomaly
pp.743-748
発行日 1993年6月25日
Published Date 1993/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901140
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抄録:神経根奇形が神経根障害に関与する頻度は少ない.しかし,奇形神経根は,それ自体の大きさ,走向異常,低可動性等により些細な脊椎の二次的変性で症状を発現しやすく,補助診断にて見逃されやすい.諸家の報告によると,神経根奇形の発見頻度は手術では1%,ミエログラフィーでは2.3%であるが,剖検例では10%前後にも及ぶ.神経根奇形の手術成績は一般に不良例が多いとされているが,これは術前に奇形根の存在が把握されない場合の術中操作の問題や,不十分な病態把握が関与していると考えられる.腰仙椎の手術時には常に神経根奇形の存在を念頭におきながら,注意深くatraumaticな操作を行うことが重要である.また奇形根は可動性が低下しているため,除圧後の二次的変化で神経症状を生じやすい.よって十分な除圧を行うと共に,motion segmentの固定も必要となる.
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