Japanese
English
臨床経験
股関節疾患における腰椎X線像の検討―腰椎不安定性に及ぼす影響について
Radiological Analysis of Lumbar Spine in Hip Disorders: Correlation to the Instability of Lumbar Spine
木下 誠司
1,2
,
鷲見 正敏
1
,
片岡 治
1
,
庄 智夫
1
,
佃 政憲
1
Seiji Kinoshita
1,2
1国立神戸病院整形外科
2現:兵庫県立加古川病院整形外科
1Orthopaedic Clinic, Kobe National Hospital
キーワード:
股関節疾患
,
hip disorders
,
腰椎
,
lumbar spine
,
不安定性
,
instability
Keyword:
股関節疾患
,
hip disorders
,
腰椎
,
lumbar spine
,
不安定性
,
instability
pp.933-937
発行日 1992年8月25日
Published Date 1992/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900917
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抄録:股関節疾患に基づく屈曲拘縮や脚長差のために,腰椎に前彎や側彎変形が発生するとの報告は散見されるが,腰椎不安定性発生についての報告は少ない.筆者らは変股症患者の立位腰椎X線像における,各種変形および不安定性について検討した.対象は変股症50例で,男性が4例,女性が46例であり,年齢は28~80歳(平均55歳)であった.腰痛などの臨床症状と股関節屈曲拘縮・脚長差を調査し,立位腰椎X線前後および側面機能撮影像から,腰椎前彎角・側彎角・骨盤傾斜角および前方圧縮像やすべり像などの不安定性について検討した.
腰痛は26例(52%),腰椎由来の下肢症状は7例(14%)に,20°以上の屈曲拘縮は22例(44%),2cm以上の脚長差は18例(36%)に認められた.65°以上の腰椎前彎角は16例(32%),5°以上の側彎角と側方への骨盤傾斜角は各19例(38%)・11例(22%)に認められた.腰椎不安定性は25例(50%)に,特に屈曲拘縮例(20°以上)に多く認められた(P<0.01).
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