Japanese
English
臨床経験
大腿骨に発生した骨膜性骨肉腫の1例
Periosteal Osteosarcoma Arising in the Femur: Report of a Case
溝渕 弘夫
1
,
石田 健司
1
,
三好 信也
1
,
近藤 誠
1
,
山本 博司
1
,
園部 宏
2
,
貞広 哲郎
3
Hiroo Mizofuchi
1
1高知医科大学整形外科学教室
2高知医科大学第2病理学教室
3土佐市民病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kochi Medical College
キーワード:
骨表在性骨肉腫
,
surface osteosarcoma
,
骨膜性骨肉腫
,
periosteal osteosarcoma
,
骨髄内病変
,
intramedullary lesion
Keyword:
骨表在性骨肉腫
,
surface osteosarcoma
,
骨膜性骨肉腫
,
periosteal osteosarcoma
,
骨髄内病変
,
intramedullary lesion
pp.617-620
発行日 1992年5月25日
Published Date 1992/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900857
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:22歳男性の右大腿骨近位部に原発した骨膜性骨肉腫の1例を報告した.肉眼的に,病変の主体は骨膜から周囲軟部組織に浸潤性に増殖する16×11×9cm大の腫瘍であったが,病変部骨髄内のごく一部に小結節性軟骨病巣の集簇よりなる“髄内病変”を伴っていた.しかし,明らかな骨皮質の破壊はなかった.組織学的には,主病変は,異型軟骨組織の分葉~島状増殖を主体とし,一部に類骨を形成する未分化な紡錘型細胞巣を伴っていた.また,“髄内病変”も基本的にはこれと同様であった.以上の所見から本症例を骨髄内に発生した軟骨芽細胞型骨肉腫の骨外進展とは考え難く,骨表面に発生した骨膜性骨肉腫が髄内浸潤したものと考えた.“髄内病変”の除外を骨膜性骨肉腫の診断基準とする見解もあるが,“髄内病変”の有無はむしろ病期を反映するものであり,この型の骨肉腫の診断にとって本質的なものではないと考える.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.