Japanese
English
臨床経験
小児肋骨に発生した骨クリプトコッカス症の1例
A Case of Localized Osseous Cryptococcosis of the Child's Rib
内田 理
1
,
乙宗 隆
1
Tadashi Uchida
1
1国立療養所香川小児病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kagawa National Children's Hospital
キーワード:
骨クリプトコッカス症
,
osseous cryptococcosis
,
肋骨
,
rib
,
フルコナゾール
,
Fluconazole
Keyword:
骨クリプトコッカス症
,
osseous cryptococcosis
,
肋骨
,
rib
,
フルコナゾール
,
Fluconazole
pp.1407-1410
発行日 1991年12月25日
Published Date 1991/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900490
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抄録:健常小児の第8肋骨に発生した限局型骨クリプトコッカス症を経験したので,報告する.症例は10歳,男児.基礎疾患・細胞性免疫能の低下は認められていない.学校で時折鳩と接触していた.誘因なく左上背部の疼痛,腫脹,熱感が出現し,抗生物質投与に反応しなかった。X線・CTにて左第8肋骨に骨融解像,周辺軟部組織の腫脹を認め,骨生検を施行した.培養・病理組織よりcryptococcus neoformansを同定,骨クリプトコッカス症と診断し,病巣郭清術を施行した.術後Fluconazoleと5-FC(Flucytosine)の併用療法を行い,副作用なく,再発も見られず,経過良好である.内臓真菌症の保存的治療法としては,Amphotericin Bと5-FCの併用が一般的であるが,Amphotericin Bの全身投与は副作用が強く,投与中止となる場合が多い.Fluconazoleは長期投与においても安全性が高く有効であった.
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