Japanese
English
論述
神経根伝導速度(Nerve Root Conduction Velocity)を用いた腰仙部神経根障害の電気生理学的評価
Electrophysiological Evaluation for Lumbosacral Radiculopathy Using Nerve Root Conduction Velocity
千葉 英史
1,2
,
嶋田 隆夫
1,2
,
竹谷 英之
1,2
,
神谷 敬一郎
1,2
,
井村 慎一
1,2
Hidefumi Chiba
1,2
1福井医科大学整形外科
2聖マリアンナ医科大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Fukui Medical School
キーワード:
神経根伝導速度
,
nerve root conduction velocity
,
電気生理学的診断
,
electro physiological diagnosis
,
腰仙部神経根症
,
lumbosacral radiculopathy
Keyword:
神経根伝導速度
,
nerve root conduction velocity
,
電気生理学的診断
,
electro physiological diagnosis
,
腰仙部神経根症
,
lumbosacral radiculopathy
pp.823-829
発行日 1991年7月25日
Published Date 1991/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900384
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:腰部神経根障害において高位診断や障害程度の把握が困難な場合,定量的評価法があれば有用である.そこで誘発神経根電位に基づく神経根伝導速度NRCVを測定し臨床所見,画像診断と比較した.腰椎椎間板ヘルニア,脊柱管狭窄症など30例65神経根を対象に,術中腓骨神経あるいは脛骨神経を刺激し,神経根上の2点より導出した誘発電位の頂点潜時差と距離からNRCVを算出した.神経根を臨床症状・所見と画像所見が一致するA群,自覚症状あるいは画像所見のみ認めるB群,所見のないC群に分類しNRCVを比較するとA群,B群の順にC群に比し有意(P<0.001)に遅延していた.また手術時の神経根の状態によるNRCVの変化や術後の症状回復期間との関係を調べると,NRCVは癒着,発赤腫大した神経根では所見のないものより遅延し,40m/secより速いNRCVを呈した神経根の術後症状回復は良好な傾向を示した.NRCVの遅延は神経根障害の有用な客観的評価法と思われる.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.