Japanese
English
シンポジウム 悪性骨軟部腫瘍への挑戦
速中性子線による骨・軟部腫瘍の治療
Fast Neutron Therapy for Sarcomas of the Bone and Soft Tissue
恒元 博
1
,
森田 新六
1
,
中野 隆司
1
,
佐藤 真一郎
1
Hiroshi Tsunemoto
1
1放射線医学総合研究所・病院部
1Division of Hospital, National Institute of Radiological Sciences
キーワード:
速中性子線
,
fast neutrons
,
軟部肉腫
,
soft tissue sarcoma
,
骨肉腫
,
osteosarcoma
,
重粒子線
,
heavy ions
Keyword:
速中性子線
,
fast neutrons
,
軟部肉腫
,
soft tissue sarcoma
,
骨肉腫
,
osteosarcoma
,
重粒子線
,
heavy ions
pp.749-754
発行日 1991年6月25日
Published Date 1991/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900371
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抄録:速中性子線は,線エネルギー賦与が高い粒子線(高LET)であり,X線と比較して酸素増感比(OER)が低く,細胞の放射線損傷回復を阻害する等の特徴がある.速中性子線はこれまでに,唾液腺癌,パンコースト腫瘍,前立腺癌,骨・軟部肉腫に著効を示すことが分った.
放射線医学総合研究所(放医研)では,1975年11月から速中性子線による治療を始め,1989年までに78例の骨肉腫と105例の軟部肉腫症例が速中性子線治療を受けた.これらの症例のうち,根治放射線治療を受けた骨肉腫39例の局所制御率は86%,5年生存率は51%であった.同様に,軟部肉腫72例について根治照射が行われ,速中性子線単独治療により28.5%の局所制御が得られ,術前照射と術後照射による局所制御率は,それぞれ81.8%,76%であった.軟部肉腫の治療について,速中性子線の術前照射は,機能温存を重視する治療としてすすめられる.
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