Japanese
English
臨床経験
肩甲下部に発生した巨大嚢胞の1例
Giant Cyst in a Subscapular Area: A Case Report
芝 昌彦
1
,
臼井 康雄
1
,
一山 茂樹
1
,
水野 耕作
1
,
廣畑 和志
1
,
鵜飼 和浩
2
,
池田 正則
3
Masahiko Shiba
1
1神戸大学医学部整形外科学教室
2兵庫県立成人病センター
3灘金沢病院
1Department of Orthopaedic Surgery, Kobe University School of Medicine
キーワード:
嚢胞
,
cyst
,
滑液包炎
,
bursitis
,
血腫
,
hematoma
Keyword:
嚢胞
,
cyst
,
滑液包炎
,
bursitis
,
血腫
,
hematoma
pp.1323-1326
発行日 1990年11月25日
Published Date 1990/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900232
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:肩甲下部に発生した軟部腫瘍を疑わせる巨大な嚢胞性腫瘤を経験したので報告する.
症例は41歳,女性で,昭和62年7月頃より右肩甲部に鈍痛を感じることがあった.昭和63年8月,右肩甲下部の腫瘤に気付き当科を受診した.腫瘤は手拳大,弾性硬で波動はなかった.CT,MRIで右肩甲骨と胸郭の間に腫瘤陰影を認め,昭和63年9月摘出術を施行した.腫瘤は広背筋,前鋸筋と胸郭の間に存在する嚢胞で,内容は赤褐色の混濁液であった.病理組織学的には,器質化した血腫あるいは巨大な滑液包炎が考えられたが,外傷の既往がないことより,肩甲下部に発生した滑液包炎の可能性が高いと考えた.1年後の現在,再発はなく,経過は良好である.
同部に発生する軟部腫瘍を疑わせるほどの巨大な嚢胞性腫瘤は稀と思われるので,考察を加えて報告する.
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.