増大号特集 できる整形外科医になる! 臨床力UP,整形外科診療のコツとエッセンス
column
「新しい景色」をみるために
仁木 久照
1
Hisateru NIKI
1
1聖マリアンナ医科大学整形外科学講座
1Department of Orthopaedic Surgery, St. Marianna University School of Medicine
pp.645
発行日 2023年5月25日
Published Date 2023/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408202665
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足の外科を専門とする立場から,私の診療の工夫,若手に伝えたい教訓について述べさせていただきます.
足はヒトの体で唯一地面と接する器官である.したがって,足底にあるサインを見逃してはならない.それはときに,患者自身は訴えず,あるいは気づいていない.必ず,靴下を脱がせ,足底の皮膚の様子を観察する.胼胝はあるのか,どこにあるのか,骨性隆起と関連しているのか,痛みを伴うのか,をしっかり観察し聴取する.当たり前のことだが,両足を比較するために必ず揃えて,腫脹,可動域,運動時痛,皮膚の変化,の左右差を観察する.さらに立たせて,正面,側面,後方から見比べる.さらに,足の診察では圧痛部位の同定は必須で,これで8割方は診断できるといっても過言ではない.それを可能にするのに必要なのは「解剖」である.
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