特集 診断・治療に難渋したPeriprosthetic Joint Infectionへの対応
緒言
稲葉 裕
1
Yutaka INABA
1
1横浜市立大学整形外科
pp.223
発行日 2022年3月25日
Published Date 2022/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408202272
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人工感染周囲感染(periprosthetic joint infection:PJI)は,治療に難渋する症例が多いため医師・患者ともに負担が大きい.適切な初期診断がなされないと無菌性として何度も再置換術が施行され,骨や筋肉などの欠損が巨大となる症例も存在する.また,不十分な治療により感染の沈静化が得られず,瘻孔からの排膿が長期間持続するような難治例にも遭遇する.今回の特集では,このような臨床上しばしば経験するPJI難治例に焦点を当てて,その対応についてPJIの診療・研究におけるトップランナーの先生方に執筆をお願いした.
まず診断では,病理組織診断は術中診断が可能な重要な検査であり,その有用性に関して岩田栄一朗先生に解説していただいた.細菌培養検査陰性例は起炎菌が不明なため治療計画を立てるのが困難である.その対応について小林直実先生に執筆をお願いし,また新しい検査法として期待されるnext-generation sequencingについて植田成実先生に解説していただいた.
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