増大号特集 整形外科 外来・当直 エマージェンシーマニュアル
疾患編
炎症性疾患が疑われる患者のみかた
松尾 智次
1
,
金子 晴香
1
,
石島 旨章
1
Tomoji MATSUO
1
,
Haruka KANEKO
1
,
Muneaki ISHIJIMA
1
1順天堂大学医学部附属順天堂医院 整形外科・スポーツ診療科
pp.741-747
発行日 2021年5月25日
Published Date 2021/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408202053
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痛風・偽痛風…松尾智次
痛風・偽痛風の特徴
痛風は,関節腔内の尿酸-ナトリウム結晶の沈殿に起因する,最も一般的には母趾中足指節(MTP)関節における痛みを伴う関節炎を特徴とする(図1).食生活および生活習慣の欧米化に伴い,痛風患者の数は年々増加している.痛風患者は110万人以上,無症候性の高尿酸血症は1000万人以上とされる1).国民生活基礎調査によれば,1986〜2016年の30年間で25.5万人から110.5万人へと約4倍に急増した1).
高尿酸血症が持続すると,痛風だけでなく,メタボリックシンドロームや尿路結石,腎障害,脳・心血管障害の危険因子となる可能性も指摘されている.
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