書評
外科系医師のための臨床研究—手術を評価するアウトカム
佐藤 雅昭
1
1東大病院・呼吸器外科
pp.982
発行日 2020年8月25日
Published Date 2020/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408201779
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今回,本多通孝先生の著書『外科系医師のための臨床研究 手術を評価するアウトカム』を拝読する機会をいただいた.私自身も外科医として,とても納得というか,「そうだよな〜」と激しく同意する部分が多々あり,大変勉強になった.これから臨床医として研究を進める若手医師にもぜひ一度読むことをお勧めしたい.
特に「おわりに」に書かれている,忙しい臨床医が業務と両立できる研究は「患者の生の声を形にする研究がよいのではないか」との言葉は,本多先生ご自身が第一線の外科医であることがにじみ出ており,わが意を得た思いだった.われわれ臨床医が研究を行う意義はまさにそこにあり,患者が何を期待しているか,われわれ外科医はそれにどれだけ応えられているかという問題は,大きな侵襲を伴い「肉を切らせて骨を断つ」手術という治療を行うわれわれにとって常日頃から真摯に向き合わなければならない課題である.
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