最新基礎科学/知っておきたい
骨肉腫幹細胞
塚原 智英
1
,
水島 衣美
2
Tomohide TSUKAHARA
1
,
Emi MIZUSHIMA
2
1札幌医科大学医学部病理学第一講座
2札幌医科大学医学部整形外科学講座
pp.1262-1265
発行日 2019年12月25日
Published Date 2019/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408201545
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はじめに
がん細胞の組成は均一ではない.化学療法や放射線療法の後に,多くのがん細胞が殺傷されてもごく一部のがん幹細胞が生き残り,治療後の再発や転移を引き起こすといわれている1).がん幹細胞は自己複製能と分化能,高い造腫瘍能を持ち,さらに化学療法や放射線療法に抵抗を示す.近年,骨肉腫をはじめとした肉腫にも高い造腫瘍能と薬剤耐性能を司る肉腫幹細胞(sarcoma stem-like cells/sarcoma-initiating cells:SSCs/SICs)の存在が報告されている(図1)2,3).本稿では骨肉腫幹細胞および分子マーカーの探索と,骨肉腫幹細胞のエネルギー代謝機構について概説する.
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