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新年度を迎え,読者の皆様におかれましては,希望を胸に新たなスタートを切られたことと思います.このあとがきをしたためている時は,二十四節気の「清明」の時期です.清明とは,「清浄明潔」の略で,花々が次々と咲き始め,小鳥が囀り,そして蝶が舞い始める清らかな季節の訪れを意味するそうです.桜前線もどんどん北上しており,ここ金沢でも桜は満開で,桜の花びらのように兼六園や金沢城公園は観光客で溢れかえっています.精一杯咲き誇っている桜をみていますと,私たちも,精一杯生き,精一杯自分の花を咲かせようという気持ちが鼓舞されます.桜をみている世界中の人が同じような気持ちを抱いていることでしょう.アメリカでは,ワシントンDCのポトマック川沿いの桜並木が有名ですが,ジョージア州のメイコンには全米最多の35万本の桜があり,毎年3月の終わりに桜まつりが1週間行われています.
さて,「臨床整形外科」最優秀論文賞2018が発表されました.藤原啓恭先生,喜多晃司先生(いずれも筆頭著者),誠におめでとうございます.今後も,整形外科の発展に寄与していただきたいと思います.誌上シンポジウム「整形外科を牽引する女性医師たち—男女共同参画」では,たくさんの貴重な情報が満載です.女性医師の最も少ない診療科は,整形外科と脳神経外科です.これを機に,整形外科医を目指す女性医師が増加してくれれば,大変喜ばしいことです.全国大学医学部の女子医学生の比率は30%を超えていますが,必然的に外科系診療科にとっては逆風となっています.整形外科のニーズは高まる一方なのに,ここ10年間,毎年誕生する整形外科医の数は横ばいですので,今後,女性整形外科医の増加によって整形外科医不足が解消されることを願ってやみません.それには,女性の働く環境を整備する必要が急務の課題でしょうか.その他にも,本誌は充実した内容を誇ります.定番の特集と臨床経験や症例報告をもとに,診療にお役に立ていただければ幸いです.
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