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ロシアのソチで開催された冬季オリンピックも終わり,皆さんも一段落しているところだと思います.日本は金メダル1個,銀メダル4個,銅メダル3個という結果でした.多くの日本人は,だいぶ金メダルを逃したなあと感じているかもしれません.元総理の発言が問題となりましたが,裏返せば,期待がとても大きかったのだと言えるでしょう.日本選手が本番に弱いというイメージがあるのでしょうが,選手は金メダルを目指して頑張っているわけで,勝負は時の運にも左右されますし,メダルをとって当然となると選手には酷かと思います.今回のオリンピックでも,人間の可能性や自分を信じる力,逆境を乗り越える強さ,師との絆を教えてもらいました.選手は襲いかかるプレッシャーの中で,いかにして自分をコントロールして最高のパフォーマンスを出すか自身と戦っています.そのためには,メンタルトレーニングが大変重要なのだと思います.われわれの学会発表や手術などにも通じるものがあります.さらに,今年はブラジルでサッカーのワールドカップが開催されますが,日本人の力を信じ,大いに期待したいと思います.12時間の時差を考えますと仕事が手につかない状況になるかもしれません.そして,関係各位においては2020年の東京オリンピックに向けて,有望な選手をどんどん育成していっていただきたいと思います.整形外科スポーツ医学の領域が益々忙しくなるでしょう.
本号の誌上シンポジウムは,「整形外科外傷治療の進歩」です.運動器の外傷は,整形外科医療において最も重要な分野です.この領域の治療の進歩が,関節外科や脊椎外科および腫瘍再建術などへ波及効果をもたらします.また,本号から新たに,「『勘違い』から始める臨床研究―研究の旅で遭難しないために」と「運動器のサイエンス」の連載が始まりました.いずれも示唆に富む内容で,整形外科学の分野で研究する者にとっては,重要な道標となるでしょう.今後の内容に,乞うご期待です.
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