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あとがき
土屋 弘行
pp.1156
発行日 2012年11月25日
Published Date 2012/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408102529
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皆さん,秋の夜長をどうお過ごしでしょうか? 今年の猛暑は過ぎ去り,大変勉強には適した気候になりました.「臨床整形外科」11月号も読み応え十分で,新たな知識や情報の収集には持って来いです.医学は常に温故知新が重要であり,それを通して進歩していくと考えています.視座では,東京大学の田中栄教授が利益相反について書かれています.欧米の学会では,数年前から学会発表のはじめのスライドに必ずdisclosureを求められています.今後は日本でも同様になっていくでしょう.
さて,陰暦10月の異名は神無月です.神無月の語源は,神を祭る月であることから「神の月」とする説が有力とされ,「無」は「水無月」と同じく「の」を意味する格助詞「な」だそうです.中世の俗説には,10月に全国の神々が出雲大社に集まり,諸国に神がいなくなることから「神無月」になったとする説があり,出雲国では反対に「神有月(かみありづき)」と呼ばれています.その他の説では,雷の鳴らない月で「雷無月(かみなしづき)」が転じたとする説や,新穀で酒を醸す月なので「醸成月(かみなしづき)」が転じたとする説があるそうです.11月は霜月ですが,「霜降り月・霜降月(しもふりつき)」の略とする説が有力だそうです.その他,十は満ちた数で一区切りなので上月になり,それに対して下月とする説や,神無月を「上な月」と考えて「下な月」とする説など,上下の下とみる説や,「食物月(をしものつき)」の略,「摺籾月(すりもみつき)」の意味からきている説などがあります.いろいろな説があり,全くもって医学と通じています.
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