境界領域/知っておきたい
きずのきれいな治し方—術後の創部合併症を起こさないために
小川 令
1
Rei OGAWA
1
1日本医科大学形成外科学教室
pp.72-78
発行日 2019年1月25日
Published Date 2019/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408201263
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整形外科手術後の創部の合併症には,手術部位感染(surgical site infection:SSI)や肥厚性瘢痕(hypertrophic scars)がある.「きれいに」傷を治すためには,これらの発症機序を理解し,予防するための手術手技,とくに閉創手技を知る必要がある.手術部位感染を生じたら,壊死組織をつくってしまった可能性,肥厚性瘢痕を生じたら術後創部に張力が過剰にかかった可能性を考える必要がある.これらを予防するためには,脂肪組織に大きく糸をかけない,また日常動作で張力のかかる方向に切開線を一致させない,といった工夫が必要である.特に女性ホルモンの影響がある患者や皮膚に張力がかかる活動性の高い患者では傷が目立ちやすくなるため,手術手技の工夫が必要となる.
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