連載 慢性疼痛の治療戦略 治療法確立を目指して・17
—合併症への対応—生活習慣病患者に対する薬物相互作用への配慮
二階堂 琢也
1
,
菊地 臣一
1
,
紺野 愼一
1
Takuya NIKAIDO
1
,
Shin-ichi KIKUCHI
1
,
Shin-ichi KONNO
1
1公立大学法人福島県立医科大学医学部整形外科学講座
pp.972-975
発行日 2017年10月25日
Published Date 2017/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200932
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
急速に高齢化が進んだわが国では,変形性脊椎症,変形性関節症,および骨粗鬆症に伴う骨折など,加齢に伴う運動器疾患が増加している.高齢者の運動器疾患では,慢性の病態が多くを占め,長期的治療を要することが少なくない.一方,生活様式の欧米化に伴い,中高年の多くが何らかの生活習慣病を有しており,医療機関での治療を受けている.すなわち,加齢に伴う運動器疾患の治療対象となる患者の大部分は,肥満,高血圧症,脂質異常症,糖尿病などの生活習慣病患者でもある.したがって,運動器慢性痛に対する薬物療法では,生活習慣病に対して処方されている薬剤との相互作用に細心の注意を払う必要がある.
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.