内視鏡下椎間板ヘルニア摘出術（MED）後に発生したepidural gasの1例

Symptomatic Epidural Gas after Microendoscopic Discectomy (MED)

　症例は84歳男性で，椎間板ヘルニアに対して内視鏡下椎間板ヘルニア摘出術(MED)を施行した．術翌日には症状が改善したが，術後2日目に再発した．CT，MRIにより，epidural gasによる神経根の圧迫と診断した．Epidural gasは，vacuum phenomenonにより生じた椎間板内gasが，手術操作によって硬膜外に脱出することで形成される．その発症を防ぐため，椎間板ヘルニアの手術時には，椎間gasの十分な排出が必要である．治療は保存的加療が第一選択だが，保存的加療が奏功しない場合，手術による排出を考慮する．本症例では術後8日目に内視鏡下にepidural gasを排出し，良好な術後経過を得た．