境界領域/知っておきたい
生物学的製剤によるB型肝炎ウイルス再活性化(ガイドラインを含む)
藥師神 崇行
1
,
冨田 哲也
2
,
竹原 徹郎
1
1大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学
2大阪大学大学院医学系研究科運動器バイオマテリアル学寄附講座
pp.770-774
発行日 2013年8月25日
Published Date 2013/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408102788
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はじめに
B型肝炎ウイルス(hepatitis B virus;HBV)の感染様式は,一過性感染と持続感染に分類される.一過性感染は,成人における水平感染であり,多くは無症状であるが,一部は急性肝炎を発症したのち,臨床的に治癒に至る.一方,持続感染は,出産時の垂直感染や乳幼児期の水平感染であり,免疫寛容期を経て肝炎を発症し,大部分が非活動性キャリアとなる.この非活動性キャリアの患者に対する免疫抑制療法や化学療法が,HBVの増殖を促し,重篤な肝炎を引き起こすことは,従来より多数報告されてきた.最近では,治癒したと考えられていた既往感染においても,同様にHBVが増殖し,肝炎を発症することが報告されており,de novo肝炎として大きな問題となっている.
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