巻頭言
第26回日本整形外科学会基礎学術集会開催にあたって
高岸 憲二
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1群馬大学大学院医学系研究科医科学専攻器官制御学整形外科学
pp.896-897
発行日 2011年10月25日
Published Date 2011/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408102124
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第26回日本整形外科学会基礎学術集会を本年10月20日と21日の両日,前橋市のベイシア文化ホール(群馬県民会館)ならびに前橋商工会議所におきまして,開催いたします.この伝統ある学術集会を群馬大学大学院医学系研究科整形外科学専攻で担当させていただくことは誠に光栄に存じます.
学術集会のテーマは,「知の飛躍と集約―基礎と臨床の融合」としました.基礎科学における発見,検証,発明は知の飛躍をもたらし,さらに,その成果の集約はイノベーションによる新しい価値創造を促して,直接的・間接的に社会の発展に寄与します.わが国の基礎医学研究の特徴は臨床医自らが研究を遂行していることです.臨床医だからこそ持つ疑問や,興味,独特のアイデアが基になって発展した,臨床に則した素晴らしい基礎研究が行われています.整形外科医が行う基礎科学の多くは直接的・間接的に運動器疾患の病態解明や診断法・治療法の発展に大きく寄与してきました.近年,医師卒後研修システムの変化により医学部卒業後に大学で研修するよりも一般病院で研修する医師が多くなり,整形外科領域の基礎研究に触れる医師が少なくなっていることを痛感します.われわれが経験した,基礎研究の結果が出て論文を仕上げた時のあの達成感や,研究成果が臨床へフィードバックできた時の満足感を感じてほしいと思っています.また,この学会で面白さや楽しさが満載の基礎研究の世界へ第一歩を踏み出してほしいと願っています.
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