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2005年10月20~21日の両日,第20回日本整形外科学会基礎学術集会を三重県・伊勢市で開催させていただきます.開催場所をどこにするかでは大いに迷いました.おりしも2004年の春,東北大学の国分正一教授は春の学術総会を神戸市で開催されました.この英断を下された国分先生の高い見識に敬意を表します.一方で,基礎学会をどうするか? 参会者に便利な大都市にするか,皆様には不便でも地方色豊かな学会にするか,最後の最後まで決めかねていました.最終的に田舎で整形外科の基礎研究漬けになることを選びました.伊勢市は新幹線や空港からは遠く離れた地域ですし,会場となる三重県営サンアリーナもまた市街地より離れていますので,参会者の皆様に足の不便をおかけすることを申し訳なく思っています.しかし,人はもとより動物,静物,さらには自然現象までの「勢い」が尊ばれた古の時代より栄えた伊勢ですので,本学会でも発表者や参加者が「勢い」を発揮し,激しい議論なることを望んでいます.
学会のテーマを「情緒と理論」としました.2005年ともなると21世紀云々では色褪せていますし,臨床と基礎の架け橋もこれまで基礎学会のテーマとして使われていますので新鮮味に欠けます.研究が理論に裏付けられなければならないのは当然のことですが,論理性だけでは優れた研究成果は得られず,研究センス(情緒あるいは感性)が加わってはじめてレベルの高い研究が完成するはずです.事実,世界的に評価の高い研究は独創的なひらめき仮説の論理的な裏付けでしょう.そしてこのテーマには私自身の大いなる反省が込められています.自らの研究センスのなさで大魚を逃し続けた1人として,これからの若い研究者はもとより指導者の先生方にもお考えいただければとテーマとしました.情緒豊かな発表が聞けることを楽しみにしています.
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