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あとがき
黒坂 昌弘
pp.684
発行日 2011年7月25日
Published Date 2011/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408102056
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3月11日に発生した東日本大震災から3カ月が経過し,改めて多くの人たちは自然災害の恐ろしさを,身にしみて感じさせられたと思います.震災に加えて,原子力発電の問題点も浮き彫りにされ,被災された地域の方々には,心よりお見舞いを申し上げるとともに,1日も早い復興を切にお祈りしたいものです.ニュースで報道された,津波や原子力発電所の映像などはこの世のものとは思えず,ハリウッドで撮影された映画の一部ではないかと思わせるほど衝撃的なものでした.それにも関らず,時間とともに黙々と被災地が復興に向かう様を見ると,日本という国の持つ素晴らしい秩序と粘り強さを実感させられます.
思い起こすと,私の住んでいる神戸市も,1995年に阪神淡路大震災を経験しました.2カ月の間,水とガスが止まり,とんでもない状態になりましたが,それでも,だんだんと復興する町を見て,人間の力は計り知れないものがあると感心したのを昨日のことのように思い出します.地球の歴史をみると,地殻変動が起こることは必然的であり,今後も大きな震災や自然災害が起こるのは防ぎようもないのかも知れません.科学の力で災害を予想し未然に防ぐことのできる未来の安全で安心な社会が来ることを心から期待したいものです.
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