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あとがき
黒坂 昌弘
pp.306
発行日 2016年3月25日
Published Date 2016/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200498
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暖冬といわれた今年の冬も,九州などでは異常な積雪を記録し,結局は例年どおりの冬の季節が訪れました.そうかと思うと,事前に予告はあっても突然打ち上げられる某国からのミサイル発射など,世の中何が起こっても不思議な時代ではありません.医療界でも専門医制度の見直しで,多くの施設でバタバタと書類の作成,システム作りに追われています.本来は患者さんに福音をもたらすべき医療制度の改革が,官僚や政治家などの医療現場を知らない人たちの主導で方向付けされるのでは,医療の将来像はどうなることやらと不安な気持ちになります.しかし,根本的には医療従事者の心意気には関係ないことと心せねばならないと思っています.病んで病院を訪れる患者さんには最善を尽くさねばなりません.困っておられる患者さんには,救いの手を差し伸べ,痛みを和らげ,苦しみを取り除き,また病気を根治させるよう努力せねばなりません.そのためには,知識や技術の習得は大原則であり,そのために医療制度の改革もなされるべきでしょう.昨今の専門医制度や,医療の改革などをみるにつけ,苦しむ患者さんの立場を忘れてはいけないと痛感する毎日です.
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