整形外科/知ってるつもり
半月板の再生医療
関矢 一郎
1
,
宗田 大
2
1東京医科歯科大学軟骨再生学
2東京医科歯科大学運動器外科学
pp.42-45
発行日 2011年1月25日
Published Date 2011/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408101874
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■はじめに
半月板損傷に対する治療の第一選択は縫合術であるが,再断裂の可能性があり,必ずしも縫合術が積極的に行われている状況とはなっていない.損傷部の変性が強い場合や,スポーツなどの復帰を急ぐ場合は切除術が選択されているのが現状である.半月板は荷重伝達機能を有し,加齢とともに半月板は軟骨とともに変性磨耗し,変形性膝関節症に至る.
欧米では同種半月板移植術が行われているが,日本では制度上認められていない.コラーゲンやポリウレタンなどの人工半月板もこれまで使用されているが,良好な長期成績は得られていない.腱を用いて半月板を再建する試みがされており,その有用性と限界が明らかになりつつある.このような状況のなかで,半月板の再生医療の開発が期待されている.
本欄は,専門家にとっては常識であっても,理解が曖昧な用語やトピックスについて解説するものであるが,現時点で「半月板の再生医療」の常識というものは存在していない.以下の説明は現時点で,「半月板の再生医療」として私たちが理解し,検討してきているものであることをご了承願いたい.
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