Japanese
English
誌上シンポジウム 肩こりの病態と治療
肩こりの病態―対照群との比較を中心に
Pathogenesis of the Neck-shoulder Stiffness (Katakori)
矢吹 省司
1
Shoji Yabuki
1
1福島県立医科大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Fukushima Medical University School of Medicine
キーワード:
neck-shoulder stiffness
,
肩こり
,
pathogenesis
,
病態
,
case-controlled study
,
症例-対照研究
Keyword:
neck-shoulder stiffness
,
肩こり
,
pathogenesis
,
病態
,
case-controlled study
,
症例-対照研究
pp.413-417
発行日 2007年5月25日
Published Date 2007/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408101039
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肩こりの病態や概念については,いまだ不明な点が多い.本論文では,1)「常に肩こりを有する群」と「全く肩こりのない群」を抽出して,比較検討した結果から明らかになった肩こりの病態や要因,2)一般住民へのアンケートの解析からみた年齢による肩こりの病態の相違について述べる.明らかになった点は,以下の通りである.
・肩こり群と対照群の間で,明らかな相違が認められたのは,「自覚的な労働の大変さ」,「脊柱所見の有無」,「肩関節他動運動による症状誘発の有無」,そして「僧帽筋の筋硬度」であった.
・「なで肩の有無」や「MRIでの椎間板変性の有無」には,2群間で有意な差は認められなかった.
・肩こりの病態は,頚椎や肩の機能障害が基盤としてあり,それに伴ってそれらの支持組織である僧帽筋に負担がかかっている状態であり,仕事のストレスが関連している.
・青壮年群の肩こりと高齢群の肩こりでは,肩こりの病態が異なる可能性や効果のある治療法が異なる可能性がある.
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