外科研修医実践講座・22
甲状腺疾患診療のポイント
門田 俊夫
1
,
笹壁 弘嗣
1
,
若山 昌彦
1
1羽生病院外科
pp.491-495
発行日 1995年4月20日
Published Date 1995/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407905188
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はじめに
筆者が研修医時代,“ワクワク”しながら最初の甲状腺手術を指導してもらったのは1975年,ちょうど20年前である.つい昨日のことのような気がする.それから今日まで,この分野での進歩を見守ってきた.診断上の進歩で最も特筆すべきは,超音波検査である.筆者は外来診察室に超音波装置を常備し,甲状腺疾患を診るに当たって,聴診器のような感覚で用いている.かつて全盛のシンチグラムは,Plammer病のような特殊な例を除き必要なくなった.甲状腺機能も血中ホルモンが直接計測できるようになり,甲状腺機能亢進症などの治療が大変細かくできるようになった.穿刺吸引細胞診が特殊な医療機関のみで行う検査ではなく,一般的な検査となってきたのも最近のことである.しかし,甲状腺の手術自体は,この20年間ほとんど進歩はみられていない.
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