Japanese
English
特集 外科と消毒と感染予防
院内感染と日和見感染
Hospital infection and opportune infection
内山 和久
1
,
山上 裕機
1
,
谷村 弘
2
Kazuhisa UCHIYAMA
1
1和歌山県立医科大学第2外科
2和歌山労災病院
キーワード:
compromised host
,
交差感染
,
多剤耐性菌
Keyword:
compromised host
,
交差感染
,
多剤耐性菌
pp.1169-1177
発行日 2001年9月20日
Published Date 2001/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904563
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
現在の院内感染症はcompromised hostに対する多剤耐性菌による日和見感染が多い.つまり過大侵襲術後や大量輸血,癌に対する放射線療法,抗癌剤やステロイド投与後,糖尿病や黄疸,低栄養,透析患者などによる感染防御能の低下が誘因となる.さらに物理的な皮膚・粘膜バリアーの破綻,抗菌薬多用による正常細菌叢の乱れ,顆粒球減少,体液性・細胞性免疫能の低下のいずれかが存在すると感染が成立する.
外科領域の院内感染起炎菌としては,MRSA,多剤耐性緑膿菌,腸球菌(VREを含む)がとくに問題で,医療従事者はその感染を媒介しないように,また自ら結核やHBV,HCV感染に罹患しないように注意する必要がある.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.