病院めぐり
川崎製鉄健康保険組合千葉病院外科
山本 義一
pp.808
発行日 2001年6月20日
Published Date 2001/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904488
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昭和26年に川崎製鉄が千葉市に製鉄所を開設し,その後の設備拡大に伴い昭和30年代の半ばには従業員数が1万人を越えその家族を含めると2万5千人に及び,医療需要の急増につながったことが当院建設の契機となりました.千葉大学第2外科中山恒明教授のアドバイスのもと準備を進め,健康保険組合立としての設立が決まり,中山先生を初代院長として昭和41年4月に226床で開院しました.その後,故大西盛光先生,関 幸雄先生(現名誉院長)と外科のチーフが院長を務め,増改築を重ねて現在では診療科15科,医師57名,病床数360床の総合病院となり,千葉市の中核病院にまで発展しました.千葉市の人口の増加とJR蘇我駅前に位置するというアクセスのよさもあって,1日の外来患者数は平均1,260人を数えます.今では川鉄健保組合員は外来患者の10%,入院の5%にすぎません.
当院は千葉大学の関連病院であり,医師は全員千葉大学の医局より派遣されています.開院当初より風通しのよいアットホームな雰囲気のある病院であり,その理由として次のようなエピソードが残っています.中山先生と大西先生が建築中の病院を見に行った時のこと,医局とささやかな院長室があるだけで医師のための個室はなく,大西先生がそのことを尋ねると中山先生は『診療の善し悪しは人によって決まる.部屋の有る無しとは関係がない.
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