外科医に必要な泌尿器科common diseaseの知識・12
膀胱炎,腎盂腎炎
浅野 友彦
1
Tomohiko ASANO
1
1防衛医科大学校泌尿器科
pp.896-897
発行日 2000年7月20日
Published Date 2000/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904159
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膀胱炎の概念
膀胱に炎症をきたしている状態であり,経過(急性,慢性),原因(細菌性,ウイルス性,放射線性),基礎疾患の有無(単純性,複雑性)により分類される.最も多くみられるのは女性の単純性膀胱炎であり,性交を契機として発症することが多く,その起因菌の80%以上は大腸菌である.男性で膀胱炎が起こることは稀であり,そのような場合には膀胱結石などの異物や,前立腺肥大症や神経因性膀胱のように残尿をきたすような何らかの基礎疾患が疑われる.その他の膀胱炎としてアデノウイルスⅡ型による出血性膀胱炎,子宮癌などの骨盤内悪性腫瘍に対する放射線治療後に発症する放射線性膀胱炎,原因不明で難治性の間質性膀胱炎などがある.
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