Japanese
English
臨床研究
透析用ブラッドアクセスとしてのポリウレタングラフトの使用成績
Clinical experiences with polyurethane graft for blood access of hemodialysis
中尾 篤典
1
,
宮崎 雅史
2
,
岡 良成
2
,
松田 浩明
1
,
田中 紀章
1
,
国米 欣明
2
Atsunori NAKAO
1
1岡山大学医学部第1外科
2幸町記念病院外科
キーワード:
ポリウレタングラフト
,
キンキング
,
コンポジットグラフト
Keyword:
ポリウレタングラフト
,
キンキング
,
コンポジットグラフト
pp.365-369
発行日 2000年3月20日
Published Date 2000/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904062
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はじめに
人工透析用のブラッドアクセスとして人工材料を利用した代用血管の移植が増加しつつある.人工血管としては従来,expanded poly-tetrafluoro-ethylene graft(E-PTFE)が頻用されており,生体適合性,長期開存性に優れているが1,2),術後の浮腫や血清腫を生じやすく3),穿刺部よりの出血が止まりにくい欠点がある.また,仮性内膜(パンヌス)の増生やそれに伴う吻合部狭窄も比較的早期に出現し2),改良が待たれていた.最近開発されたポリウレタンを素材としたThoratec VascularAccess Graft(TVAG;Thoratec Laboratories Cor-poration, Pleasanton, CA, USA)は非常に弾力性に富んだ性質を持つ新しい人工血管であり,最近ブラッドアクセスに用いられるようになってきた4〜7).当院でも1998年以来TVAGを使用しており,移植21症例につきその成績を検討したので報告する.またその経験の中で,TVAGの材質的特徴である強い弾力性により発生する血管吻合部のトラブルを数例経験した.われわれはTVAGの欠点ともいえるこの合併症を克服するために,E-PTFEを吻合部のみに使用する方法を考案し好成績を得ているので,その手技も併せて示すことにする.
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