特集 薬物療法マニュアル
Ⅳ.術後愁訴と合併症の薬物療法
5.循環器系
術後高血圧
羽野 卓三
1
,
西尾 一郎
1
Takuzo HANO
1
1和歌山県立医科大学循環器内科
pp.268-269
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903850
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はじめに
術後の高血圧を考える際には,元来高血圧を呈していたか正常血圧者かによって対応が異なる.また,手術に至る基礎疾患においても治療方針が異なる可能性がある.例えば,脳出血の際には通常血圧の上昇がみられ,これは術後も持続する.一方,消化管出血,心機能障害などにより従来高血圧を示す例でも正常血圧を示すこともある.また,降圧薬を服薬している場合もある.したがって,術前の血圧値が本来の血圧と異なる可能性があり,高血圧の既往,治療経過,服薬状況,期間に関する情報をできるだけ正確に得るとともに,網膜所見,心電図所見,蛋白(アルブミン)尿などから,緊急時においても高血圧の重症度,臓器障害,罹病期間を客観的に評価することが必要である.
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