特集 縫合・吻合法のバイブル
Ⅲ.部位(術式)別の縫合・吻合法
10.その他
膀胱の縫合
中村 薫
1
,
山本 泰秀
1
Kaoru NAKAMURA
1
1川崎市立川崎病院泌尿器科
pp.376-379
発行日 1998年10月30日
Published Date 1998/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903424
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はじめに
膀胱縫合の基本について,(1)前壁の部分切除,(2)後壁の部分切除,(3)つぎに損傷部位が膀胱三角部あるいは後壁に広い範囲で起こっていて,膀胱拡大が必要な場合の膀胱縫合について解説する.
膀胱縫合が適応となるのは膀胱部分切除である.泌尿器科領域では膀胱部分切除は膀胱腫瘍において経尿道的切除(TUR)では切除困難な腫瘍,あるいは原則として膀胱全摘の適応となる浸潤性膀胱癌で,全身状態が悪くてmajor surgeryに耐えられない高齢者患者の姑息的手術法として施行されている(ただし膀胱癌は多中心性の発生であり,浸潤癌ではすでにリンパ節転移をきたしていることも多いので,積極的に膀胱部分切除は行われていない).
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