特集 縫合・吻合法のバイブル
Ⅲ.部位(術式)別の縫合・吻合法
7.大腸
ヒルシュスプルング病手術の縫合
水田 祥代
1
,
窪田 正幸
1
Sachiyo SUITA
1
1九州大学医学部小児外科
pp.292-294
発行日 1998年10月30日
Published Date 1998/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903399
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はじめに
直腸肛門部全域が病変部に含まれるヒルシュスプルング病では,罹患部を完全に切除し,正常腸管と置換することは骨盤腔の狭い乳児においては技術的に困難なだけでなく,剥離操作に伴う神経や臓器損傷の危険性も高い.そのためヒルシュスプルング病手術では,病変部の一部を残しながらも正常腸管との吻合法を工夫し,良好な排便機能が得られる術式が考案されてきた.
基本的な手術法はDuhamel法,Swenson法,Soave法であるが,それぞれに多くの変法が考案され1),さらに近年ではそれぞれが鏡視下手術にも応用され2〜4),術式のvariationはきわめて多い.当科では本邦で最もよく使用されているDuhamel変法(池田式Z型吻合術5))を用いており6),以下本法について述べる.
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