Japanese
English
特集 血管系病変と腹部消化器外科
消化管の動静脈形成異常
Angiodysplasia of the gastrointestinal tract
吉川 宣輝
1
,
藤谷 和正
1
Nobuteru KIKKAWA
1
1国立大阪病院外科
キーワード:
動静脈形成異常(angiodysplasia)
,
消化管出血
Keyword:
動静脈形成異常(angiodysplasia)
,
消化管出血
pp.1567-1570
発行日 1997年12月20日
Published Date 1997/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903054
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消化管のangiodysplasiaは比較的稀な疾患であるが,近年の消化器内視鏡検査や血管造影検査の進歩・普及に伴って,報告例が増えつつあり,消化管出血の際には鑑別すべき疾患の1つである.多くは加齢に伴う後天性変化と考えられ,下血を中心とした消化管出血を主訴とする.右側結腸,空腸,回腸に発症するものが多く,大半は血管造影検査によって診断される.内視鏡による診断の報告も増えつつあり,その他,出血シンチグラフィ,内視鏡ドプラ超音波が診断に利用されている.出血に対しては,超選択的カテーテル挿入による動脈塞栓術,動脈内ピトレシン注入療法や,内視鏡的焼灼・凝固術,hot-biopsy,内視鏡的硬化療法などによる内科的治療が優先されるが,無効な場合には腸管切除術を行う.止血に成功すれば予後は良好である.
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