特集 外来診療・小外科マニュアル
Ⅷ.四肢・皮膚
106.ガングリオン
村上 隆一
1
,
平野 明喜
1
Ryuichi MURAKAMI
1
1長崎大学医学部形成外科
pp.280-281
発行日 1997年10月30日
Published Date 1997/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902983
- 有料閲覧
- 文献概要
疾患の概念
ガングリオンは手の軟部組織腫瘍の半数以上を占め,ゼリー状の粘液を含む嚢腫である.その発生原因は不明であるが,結合織の粘液変性を伴った退行変性にminor traumaが誘因となって発生すると考えられている1,2).悪性化の報告はみられない.ガングリオンの好発部位は手関節背側面であり,とくに舟状骨と月状骨間の靱帯部から発生している(図1).手背側の他の部位に認められる場合でも,大部分は茎が舟状骨,月状骨間の靱帯につながっている1).そのほか手関節掌側あるいは指屈側基部などにも認められる.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.